日本のお正月といえば、
おせちを食べて、初詣に行って、お年玉を渡して、家でのんびり。
では、タイのお正月はというと……
知らない人から突然、水をぶっかけられます。
しかも、まあまあ本気で(笑)。
「ちょっと水をかける」くらいを想像してはいけません。
水鉄砲、バケツ、ホース。
場所によっては、
「これ消防訓練ですか?」
というレベルで水が飛んできます。
そんなタイのお正月が、世界的にも有名な**ソンクラーン(Songkran/สงกรานต์)**です。
今回は、タイ在住者にはおなじみのソンクラーンについて、その意味や歴史、水をかける理由、伝統的な過ごし方まで分かりやすく紹介します。
タイのお正月「ソンクラーン」とは?
ソンクラーンは、タイの伝統的なお正月です。
基本となる期間は毎年、
4月13日・14日・15日の3日間。
タイ政府も、この3日間を伝統的なソンクラーンの期間として紹介しています。
「え?タイも1月1日にHappy New Yearって言ってなかった?」
はい、言います。
タイでも1月1日は新年として祝います。
つまりタイでは、
1月に新年を祝って、4月にもう一度盛大に祝う。
新年は一回だけという常識に縛られない。
さすがタイです。
「ソンクラーン」ってどういう意味?
「Songkran(สงกรานต์)」という言葉は、サンスクリット語に由来し、**「移動」「移り変わる」**といった意味を持っています。
太陽が次の星座へ移動し、新しい年を迎えることに由来する言葉です。
4月13日は「マハ・ソンクラーンの日」とされ、伝統的なタイの新年の始まりを意味します。
つまり本来のソンクラーンは、
「よっしゃー!水鉄砲持って集合!」
というお祭りではありません。
ちゃんと歴史と意味のある、タイの大切な伝統行事なのです。
なぜソンクラーンでは水をかけるの?
ここが一番気になるところですよね。
そもそもソンクラーンの「水」には、身を清め、悪いものを洗い流し、新しい一年を迎えるという意味があります。
現在のような豪快な水かけだけではなく、もともとは仏像に香りのついた水をかけたり、年長者の手に静かに水を注いで敬意を示し、祝福を受けたりする伝統があります。
つまり本来は、
チョロチョロ……「今年もよろしくお願いします」
という非常に穏やかな行事。
それが現在では場所によって、
バシャーーーーン!!!
になっています。
ずいぶん進化しました(笑)。
実はソンクラーンは「家族のお正月」
外国人から見ると、
「タイ最大の水かけ祭り」
というイメージが強いソンクラーン。
でもタイ人にとっては、家族とのつながりを大切にする時期でもあります。
ソンクラーンになると、バンコクなどで働いている人たちが故郷へ帰り、家族と過ごします。
日本でいう年末年始の帰省に近い感覚ですね。
家族で寺院へ行って徳を積んだり、仏像を清めたり、両親や祖父母など年長者に水を注いで敬意を表したりします。
「水かけ祭り」という派手な部分だけを見ると分かりませんが、実はかなり家族を大切にするお正月なんです。
ソンクラーンの3日間にはそれぞれ意味がある
実は4月13日・14日・15日は、全部同じ「水をかける日」というわけではありません。
4月13日:マハ・ソンクラーン
タイの伝統的な新年が始まる日です。
太陽が魚座から牡羊座へ移る日とされ、ソンクラーンのスタートとなります。
4月14日:ワン・ナオ
新年を迎える準備をする日。
寺院へ砂を運び、砂の仏塔を作る準備などをする伝統があります。
昔からの言い伝えでは、この日に悪口を言ったり喧嘩したりすると一年間運が悪くなるともいわれています。
ソンクラーン中に喧嘩しそうになったら、
「今日はやめておこう。運悪くなるから」
で解決しましょう。
できればソンクラーン以外の日もやめましょう(笑)。
4月15日:新しい年を迎える日
寺院で徳を積んだり、亡くなった人々へ功徳を捧げたり、年長者へ水を注いで祝福を受けたりする日です。
派手な水かけの裏には、こうした伝統的なタイ文化が残っています。
タイで一番暑い4月だから水かけが最高に気持ちいい
ソンクラーンが行われる4月は、タイでも特に暑い時期。
外に出た瞬間、
「今日もタイ、本気出してるな……」
という暑さです。
そんな時期なので、水をかけられると普通なら怒りそうなところ、
「むしろありがとう」
となることもあります。
タイ政府の説明でも、ソンクラーンの水かけ文化は4月の非常に暑い気候とも結びついていると紹介されています。
ただし油断してはいけません。
氷を入れたキンキンの水を用意している人もいます。
あれだけは毎年、
「そこまで冷やす必要あった?」
と思います。
観光客が驚く「ソンクラーンあるある」
ソンクラーン期間中のタイでは、普段とは少し違う光景が見られます。
まず覚えておきたいのが、
「今日は水に濡れないようにしよう」は、場所によってはかなり難しい
ということ。
「今日は参加しません」という顔をして歩いていても関係ありません。
きれいな服を着ていても、
髪をセットしていても、
「ちょっとコンビニに行くだけ」でも、
水鉄砲を持った子どもから見れば、
全員ターゲットです。
特に盛り上がっているエリアへ行くなら、濡れる前提で行ったほうが精神的に楽です。
スマートフォンや財布などは、防水ケースや防水バッグに入れておくのがおすすめ。
そして白いTシャツは……
あとはご想像にお任せします。
バンコクではどこが盛り上がる?
バンコクのソンクラーンでは、毎年さまざまな場所でイベントが開催されます。
特に有名なのが、シーロム周辺やサイアム周辺など。
2026年もシーロム、サイアムスクエア、ベンジャキティ公園などバンコク各地でソンクラーン関連イベントが開催されました。 (SAWASDEE THAILAND – THAILAND.GO.TH)
ただしイベント会場や開催日は毎年変わる可能性があります。
ソンクラーンの時期にタイ旅行を予定している場合は、その年の最新情報を確認してから行くのがおすすめです。
ソンクラーンはユネスコ無形文化遺産
実はソンクラーン、
ただの「世界的に有名な水かけ祭り」ではありません。
2023年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。 (UNESCO ICH)
ユネスコもソンクラーンについて、家族が集まり、年長者や祖先、仏像へ敬意を表すタイの伝統的な新年行事として紹介しています。 (UNESCO ICH)
そう聞くと急に、
「水鉄砲で撃ち合ってる場合じゃないのでは?」
と思ってしまいますが、それも現代のソンクラーンの楽しさ。
伝統文化と現代のお祭りが一緒になっているところが、ソンクラーンの面白いところなのかもしれません。
ソンクラーン=水かけ祭りだけではない
日本人に「ソンクラーンって何?」と聞くと、
「タイの水かけ祭りでしょ?」
という答えが多いと思います。
もちろん間違いではありません。
でも本来のソンクラーンには、
新しい一年を迎える
悪いものを洗い流す
家族と過ごす
年長者を敬う
寺院で徳を積む
というタイらしい文化がたくさん詰まっています。 (SAWASDEE THAILAND – THAILAND.GO.TH)
水鉄砲を持って街中で大騒ぎしている姿だけを見ると想像できませんが(笑)、その背景を知ってから参加すると、ソンクラーンの見え方も少し変わってきます。
タイのお正月「ソンクラーン」まとめ
名称: ソンクラーン(Songkran/สงกรานต์)
時期: 毎年4月13日〜15日が伝統的な期間
意味: タイの伝統的なお正月
水を使う理由: 悪いものを洗い流し、清らかな気持ちで新年を迎える意味がある
伝統: 寺院参拝、仏像を清める、年長者へ水を注ぐ、家族で過ごすなど
現在: タイ各地で大規模な水かけやイベントが開催される
ユネスコ: 2023年に無形文化遺産へ登録
日本のお正月が「静」なら、
タイのソンクラーンは完全に**「動」**。
日本では、
「あけましておめでとうございます」
と頭を下げますが、
タイでは場所によっては、
あけましておめでとうございます!
バシャーーーン!!
です。
最初はびっくりしますが、一度参加すると意外と楽しい。
そして翌年になると、
「今年はどの水鉄砲買おうかな」
と考え始めます。
そこまで来たら、もう立派なタイ生活上級者です(笑)。
タイ旅行で4月に訪れる予定がある方は、ぜひ一度ソンクラーンを体験してみてください。
ただし最後にひとつだけ。
スマホの防水対策だけは、本当に忘れずに。