タイに来ると、胸の前で両手を合わせて「サワディーカー」「サワディーカップ」と挨拶している姿をよく見かけます。
このタイ式の挨拶を「ワイ(ไหว้)」といいます。
タイといえばワイ。
というくらい有名ですが、実際にタイで生活してみると、
「誰にでもワイした方がいいの?」
「お店のスタッフにワイされたら返すの?」
「手の位置ってどこ?」
など、意外と分からないことが多いんです。
今回は、そんなタイの「ワイ」についてご紹介します。
ワイはただの「こんにちは」ではありません
日本人から見ると、ワイ=タイの挨拶というイメージがあります。
もちろん挨拶でも使いますが、それだけではありません。
「こんにちは」
「ありがとうございます」
「失礼します」
「ごめんなさい」
「敬意を表します」
など、色々な意味を込めて使われます。
日本のお辞儀に少し近いかもしれません。
そのため、相手との関係や年齢、立場によってワイの仕方も少し変わります。
基本は「年下から年上へ」
タイでは年齢や立場を大切にする文化があります。
基本的には、年下の人から年上の人へ、または立場が下の人から目上の人へ先にワイをします。
年上の人は、それに対して軽くワイを返すというのが一般的です。
会社でも、部下が上司にワイをしたり、子どもが先生や親にワイをしたりします。
初対面の年上の方に会ったときなども、ワイをすると丁寧な印象になります。
ワイされたら必ず返さないと失礼?
ここが日本人にとって少し難しいところ。
ホテル、レストラン、ショップなどでスタッフからワイをされることがあります。
この場合、必ず同じようにワイを返さなければ失礼、というわけではありません。
軽く会釈をしたり、笑顔で「コップンカップ(ありがとう)」と返すだけでも大丈夫です。
もちろん自然にワイを返しても問題ありません。
タイに来たばかりの頃は「ワイされた!返さなきゃ!」と慌ててしまうこともありますが、そこまで神経質になる必要はありません。
子どもからワイされたら?
タイでは子どもからワイをされることもよくあります。
基本的には、大人が子どもに対して同じように深いワイを返す必要はありません。
笑顔で軽く会釈したり、軽く手を合わせる程度で十分です。
タイでは「誰が先にワイをするか」にも年齢や立場の関係が表れているんですね。
実は手の高さにも意味があります
ワイは、ただ胸の前で手を合わせればいいというものでもありません。
相手への敬意が高くなるほど、手を合わせる位置も高くなります。
一般的な挨拶であれば、胸の前あたりで手を合わせて軽く頭を下げれば十分です。
年長者や目上の方に対しては、指先を鼻のあたりまで少し高くします。
僧侶や仏像などに対しては、さらに深い敬意を表すワイをします。
とはいえ、タイ人でも状況によって自然に使い分けていますので、外国人が最初から完璧に覚える必要はありません。
まずは「目上の人には少し丁寧に」くらいに覚えておけば大丈夫です。
お坊さんへのワイは少し特別
タイは仏教との関わりがとても深い国です。
そのため、僧侶に対するワイは一般的な挨拶よりも丁寧に行います。
また、タイでは僧侶は一般の人とは異なる立場にあるため、僧侶からワイを返されなくても失礼ではありません。
お寺を訪れたときにタイ人のワイを見ていると、普段の挨拶との違いが分かりやすいと思います。
外国人もワイをした方がいい?
タイに住んでいるからといって、何でもかんでもワイをする必要はありません。
むしろ最初は、タイ人がどんな場面でワイをしているのかを見て真似するくらいで十分です。
大家さんや会社の年上の方に初めて会ったとき。
誰かに丁寧にお礼を伝えたいとき。
お寺でお参りするとき。
そんな場面で自然にワイができると、とてもタイらしいコミュニケーションになります。
大切なのは「形」よりも気持ち
タイ人と長く接していると感じますが、ワイは「手をどこまで上げるか」を完璧に覚えることよりも、相手に敬意を持って接することの方が大切です。
外国人が少しくらいワイの仕方を間違えても、ほとんどの場合は気にされません。
笑顔で「サワディーカップ」と言いながらワイをする。
それだけでも十分気持ちは伝わります。
最初は少し照れくさいかもしれませんが、タイで生活しているといつの間にか自然に手を合わせるようになってきます。
それもまた、タイで暮らしているからこそ感じられる文化のひとつです。